きっかけ

私が息子と同じ小学校5年生だったのは、37年前の1971年になります。  

当時は小学生が海外旅行に行くことなど皆無でしたが、両親が国際子ども村(CISV)というユネスコの外郭団体の国際キャンプに送り出してくれて、71日から1ヶ月を中央アメリカのグアテマラで過ごしました。            (中略)

 そのキャンプで私自身が感じたことは、肌の色が違う子も、話す言語が違う子も、楽しいことには喜びを表し、悲しいことには涙を流し、そして言葉が通じなくても、身振り・手振りという共通言語を駆使してコミュニケーションをとり相互理解を図れるということでした。

しかし、英語を話す子供たちとさらに深くコミュニケーションを持つために、私自身も英語を話せるようになりたいと感じ、帰国後も両親やリーダーに通訳を頼み、中学で習い始めた英語を使いながら文通をしたりして国際交流への気持ちを育てました。

そうして大学生になった時期に、自分自身もリーダーとしてデレゲーションを連れて、スウェーデンのキャンプに参加したり、日本で開かれたキャンプで、スタッフの一員として1ヶ月間、世界の子供たちのお世話をしたりしました。

また大学卒業後は、アメリカの企業に就職し、さらなる人間関係の輪を広げることができたのも、11歳の時にグアテマラキャンプに参加する機会を与えてくれた両親と、そのキャンプに参加したいと申し入れると、快く送り出してくれた当時の小学校の先生方のおかげと感謝しております。

何がその子供の興味を引くかは非常に難しいことです。

今回の北京オリンピックで活躍した選手たちの中にも、そのスポーツを始めた「きっかけ」は、両親が与えた機会に子供の興味がつながったケースも多々あると聞きます。

ある程度の選択をしながらも、できるだけ多くの機会に触れられるようにすることが親の務めであり、そこから興味を持って自分の道につなげてくれればと思っています。

大阪教育大学付属池田小学校 PTA会報誌「はぐくみ」59号掲載原稿(2009)

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